流麗で艶やかなウィーン・フィルが、きびきびと演奏している。弦楽奏者がしゃかりきになって弓で弦をこする、松ヤニの飛沫の匂い。録音は超一流。ジャケットのデザインを観れば分かることですが、デジタル録音ではなくてアナログ録音の究極美のレコード芸術と言える完成度で、ベートーヴェンの誰もが知っている《運命交響曲》だけに、レコードの歴史上でも大きな足跡となったのでしょう。
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カルロス・クライバーは優れた指揮者であったことは音楽を楽しんでいるような指揮姿からもびしびしと伝わってくる者ですが、大きな存在としてエーリッヒ・クライバーは父親では有って欲しくなかったことでしょう。エーリッヒ・クライバーは屈指の指揮者だけれども、父親としてはどういう指導者であったのかは推測も出来ない。両クライバーが録音した同じ楽曲を比較して聴くことは酷なことでしょう。しかし、カルロス・クライバーが急死して7年。35年前にセンセーショナルとなった《運命》を改めて聴く時、父親の影を振り払おうとするようなもがきは響いてきません。ライヴではなくてセッション録音であることが、極めて高密度な緊張感を指揮者にもオーケストラにも訪れているようです。録音はそれをドキュメントのように録らえています。
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【交響曲】http://amadeusclassics.otemo-yan.net/e580339.html
- レーベル:独 DEUTSCHE GRAMMOPHON
- レコード番号:2530 516
- オリジナリティ:ブルー・リング・ラベル、チューリップはありません。
曲目:
- ベートーヴェン:交響曲 No.5 《運命》
演奏:
- 指揮: カルロス・クライバー
- 管弦楽:ウィーン・フィル
試聴感とレコード盤、ジャケットのコンディション:
- 1975年リリース。クライバーの超人気盤で、説明の必要の無い名盤です。
- 盤、ジャケット共に大変状態の良いNMコンディションですが、ジャケットに若干のリング・ウェアが見られます。
[R] NM [J] NM
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